2009年10月1日木曜日

補正予算の執行停止

先日、文部科学省から各国立大学長に、「平成21年度第一次補正予算の執行について」と題する文部科学大臣名の文書(9月24日付)が届きました。

内容は、既に報道されてあるとおり、9月18日の閣議において、内閣総理大臣から、平成21年度第一次補正予算の事業に係る執行の見直しについて指示があったことを踏まえ、その執行を一部留保することを各大学に求めるものです。

最近の報道では、文部科学省は、所管全体で約2千億円の執行を停止する方向で調整しているようですが、この中には、国立大学の建物整備費として用意された資金も含まれており、老朽・狭隘化した建物の整備による教育・研究環境の改善が喫緊の課題となっている国立大学にとっては、久々の大型補正が幻と化し、頭の痛い政策転換となりました。

文部科学省のお役人さん達は、シルバーウイークに予定していた家族旅行をキャンセルするなど、休日返上で、大臣ヒアリングに汗を流したようです。ご苦労様でした。


文部科学省が公表した資料によると、鳩山総理が閣議において発言した要旨は次のとおりです。

平成21年度第一次補正予算に係る事業のうち、各大臣が所管する全ての事業について、所管大臣は、各副大臣及び大臣政務官を中心に現場を良く確認させた上で、別紙の具体的基準に基づき、その執行の是非を点検し、10月2日までに国家戦略担当大臣、官房長官、内閣府特命担当大臣(行政刷新)及び財務大臣に報告するようお願いします。


(別紙)

平成21年度第一次補正予算の執行について

1 一時留保

平成21年度第一次補正予算に係る事業のうち、国会審議等において指摘された以下のものについては、所菅大臣は、執行の一時留保が地域経済や国民生活等に大きな混乱を及ぼすと判断する場合を除き、内示等を含め執行の一時留保又は交付先の法人等に対し執行を一時留保するよう要請を行うこととする。
  1. 地方公共団体向け以外の基金事業(交付決定済みであるものの交付未済のものにあっては 21年度に支出が見込まれる部分を徐く。)
  2. 独立行政法人・国立大学法人、官庁の施設整備費
  3. 官庁環境対応車等購入費・官庁地上デジタルテレビジョン等整備費
なお、上記の事業以外のものについて、所管大臣は、見直しを決定するまでの間においては、慎重な執行を行うこととする。

2 点検の考え方

所管大臣は、平成21年度第一次補正予算に計上された全ての事業について、各副大臣及び大臣政務官を中心に現場を良く見ながら、政策的必要性を精査し、地域経済や国民生活等に与える影響も勘案しつつ、執行の是非を点検する。

特に、下記の事業については、掲げられた考え方に沿って点検を行うこととする。

3 点検結果の報告・反映

所管大臣は、10月2日までに点検結果を国家戦略担当大臣、官房長官、内閣府特命担当大臣(行政刷新)及び財務大臣に報告することとする。その上で、政府として、見直しを行うべき事業を閣議決定し、平成21年度第ニ次補正予算及び平成22年度予算に反映する。

(注)国会、裁判所及び会計検査院に対しては、以上に準じた執行の一時留保・点検等を要請する。



1)基金造成事業(地方公共団体が造成するものを除く)

平成22年度以降に基金からの支出が見込まれる部分について、交付済みのものは自主返納の要請、交付決定済みのものは交付辞退の要請、交付決定未済のものは執行停止を行う。

自主返納・交付辞退、執行停止に伴い、平成22年度以降に支出を要する場合には、予算編成過程において、その必要性を検討する。


2)独立行政法人・国立大学法人、官庁施設整備事業

独立行政法人・国立大学法人の施設整備費については、当該法人が契約済み・支出済み等の場合を除き、原則として、国から交付済みのものは自主返納の要請、国が交付決定済みのものは交付辞退の要請、国による交付決定が未済のものは執行停止を基本とした見直しを行う。
官庁施設整備費については、原則として、執行停止を基本とした見直しを行う。

3)官庁環境対応車等購入費・官庁地上デジタルテレビジョン等整備費

原則として、執行停止を基本とした見直しを行う。


(関連報道)