2009年10月29日木曜日

国立大入試と新型インフル対策

既に報道されていることですが、国立大学協会は、去る26日に開催した総会において、新型インフルエンザに感染して平成22年度の国立大学2次試験を受けられない受験生のために、本試験の概ね1週間後に追試験を実施することや、大学入試センター試験を参考にした合否判定を行うことなどを内容とした特例措置を各大学が講じることを決めました。

また、大学入試センター試験の追試験実施期日の変更に伴う2次試験実施日程の変更、新型インフルエンザの流行による影響やリスク等に関する情報の収集・分析や各大学が参考となる指針の検討・作成を行うワーキンググループの設置も合わせて決めたようです。

国立大学協会から各大学に通知された内容をご紹介します。


平成22年度国立大学一般入試に係る特例措置について


1 基本的方向性

新型インフルエンザの流行が想定されることに鑑み、社会的な要請を踏まえ、公平性に留意しつつ、各大学の実情に応じて、志願者の受験機会の確保に向けた準備を行う。

新型インフルエンザの感染が社会的規模で受験生に影響を及ぼす事態が発生し、従来の季節性インフルエンザの流行と異なって通常の入試実施体制では受験機会の確保が困難と認められる場合には、原則として各国立大学は、平成22年度入学者選抜に関しての特例措置を迅速かつ的確に講じるものとする。

2 個別学力検査等について

(1)前期・後期日程試験(本試験)

原則として所定の期日により実施するものとする。

(2)追試験等

受験機会を確保する観点から、各大学は、平成22年度に限った特例措置として、追試験の実施や大学入試センター試験を参考とした合否判定などの諸方策を実施する可能性を想定し、必要な準備を遺漏なく行う。

追試験を実施する場合の実施方法・手続きなどに関しては、下記を参照し、各大学の実情に応じて適切に行うものとする。その際、予め予備問題を作成するなど適切な代替の選抜方法により対応するものとする。

ただし、二重合格が起こらないようにすることを前提として、当該大学の責任において、独自の方法により追試験その他の諸方策を実施することを妨げない。

なお、各大学における特例措置への対応については、所定の期日までに入試委員会に報告するものとする。

1)追試験対象者及び認定方法

平成22年度に係る特例措置のため、新型インフルエンザ罹患者及び罹患の疑いのある者を対象とすることを基本とする。ただし、各大学が特に認める者を追試験対象者に加えたり、合理的な方法により追試験受験者の絞り込みを行ったりすることを妨げない。

認定方法は、本試験の1週間前から本試験当日までの間に追試験受験申請書及び診断書を提出させるなど、平成22年度大学入試センター試験における認定方法を参考に各大学において定めるものとする。なお、申請時に診断書等の提出がなかった者の取扱いについて、予め定めておくことが望ましい。

2)追試験実施期日

本試験の概ね1週間後に実施するものとする。

3)合格発表

前期日程と後期日程それぞれの本試験と追試験あわせて合格者の決定・発表を行うものとする。なお、所定の合格発表日を変更する場合は次のとおりとする。

前期日程:後期日程試験に影響を及ぼさない3月10日(水)までに発表することが望ましい。
後期日程:3月24日(水)までに行う。

4)追試験実施日程等の通知

志願者へ受験票を送付する際、実施日程等について通知するものとする。

3 その他

(1)強毒性の新型インフルエンザ発生等により、大学入試センター試験や個別学力検査等を4月以降に実施せざるを得ないなど、入学者選抜実施日程が大きく変更される場合等については、文部科学省を含め関係機関において別途協議するものとする。

(2)新型インフルエンザの流行を想定し、入試の特例措置の実施に関する各大学の最終判断の参考となる指針・目安等について検討するワーキンググループを理事会の下に設置する。ワーキンググループ及び事務局は、関係機関との連携を図りつつ、関連情報の収集・分析を行うとともに、会員大学・受験生等への適切な情報提供に努める。


(関連)平成22年度大学入学者選抜に係る新型インフルエンザ対応方針(平成21年10月7日 文部科学省)