2010年10月26日火曜日

特別会計に切り込めるか 事業仕分け第3弾

明日(27日)から、特別会計を対象とした事業仕分け第3弾がはじまります。

元財務大臣の塩川正十郎さんの名言「母屋(一般会計)でおかゆ、離れ(特別会計)ですき焼き」に代表されるように、特別会計には膨大な積立金(俗にいう埋蔵金)があると言われています。

蓮舫大臣は、張り切っている様子ですが、どれほどの不要不急の無駄な事業や経費にメスが入るのか、一納税者として注視していきたいと思います。

事業仕分け第3弾(行政刷新会議)

事業仕分けは、公開の場において、外部の視点も入れながら、それぞれの事業ごとに要否等を議論し判定するものであり、透明性を確保しながら、予算を見直すことができる有効な方法です。
事業仕分け第3弾として、特別会計を対象に10月27日(水)から30日(土)の4日間(前半)、再仕分けを対象に11月15日(月)から18日(木)の4日間(後半)で実施し、徹底した検証を行います。・・・
http://www.shiwake.go.jp/


特会予算、3年で3千億円余る 21事業が執行9割未満(2010年10月26日 朝日新聞)

27日から始まる事業仕分け第3弾の対象となる国の特別会計(特会)の48事業のうち半数近くの事業で、予算の執行率が90%未満にとどまっていることが分かった。朝日新聞が各事業の3年間の執行率を調べた。延べ3千億円を超える予算が余った計算になり、事業仕分けでも焦点の一つになりそうだ。・・・
http://www.asahi.com/politics/update/1026/TKY201010250508.html


さて、民主党政権の目玉政策となった事業仕分け、この国のお役人さんたちはどのように受け止めているのでしょうか。最近彼らの内心の一端を垣間見た記事を見かけましたのでご紹介します。

理想主義と現実主義(2010年10月18日 文部科学時報 文教ニュース社)

最近、ハーバード大学のサンデル教授の講義がテレビ番組で紹介されたり、哲学書である著書の「これからの正義の話をしよう」が書店で平積みにされるなどを見て、 議論をして考えるということの重要性と有用性に気づかされた。これに刺激を受けて、今回は昨今の政策を巡る状況について、理想主義者A現実主義者Bとの議論をお送りしたい。


この一年、行政は事業仕分けに多大な資源を投入してきた。対象になった事業に国民の目が届いたという面では意義があると思うが、裁く側と裁かれる側が一対一というのは公正性に欠けるのではないか。人類は、裁判をはじめ訴える側と訴えられる側がいて、第三者が判断するというシステムを考案してきた。また、事業に対する素人が必要性を評価するという点に問題があるし、神は細部に宿るとはいえ政治家が細かい点にこだわりすぎるのは好ましくないように思う。


事業仕分けを考案した方たちにそういった歴史的視点があったかどうかはわからないが、素人にもわかりやすく説明する能力が重要だということが教訓。行政は従来から事業執行において成果を重視してコスト意識が低かったという問題があったが、仕分けでコスト意識が格段に高まった。素人といってもある分野の専門家なので、それぞれ切り口も持っている。まあ、例えば、金融の専門家には国民から集めたお金を投資して新産業を発展させるとか、経済学者には学説を現実化させて日本の経済成長を促すなど本業で業績を挙げて欲しいと思うが。


平成23年度予算要求における元気な日本復活特別枠については、国民による政策コンテストを実施し、内閣官房ではパブリック・コメントを受け付けているし、文部科学省では熟議サイトで議論をしている。また、科学技術関係の予算の事前評価を実施するに当たって、総合科学技術会議は若手研究者に意見を聴いているという。政治学や行政学では代表民主制における民意の反映が不十分であることの補完として、deliberative democracy(討議民主主義)などが提案されており、こうしたことが背景にあるのだろう。行政が国民の声を直接聴くことを制度化したことは画期的だ。


国民の意見は様々だ。行政官は多様な意見をまとめ、政治家が判断をするということになるだろう。ただ、制度化といっても、多様な意見をどうまとめるのか、どういった手順で取り入れるかはあいまいであり、この点を明確にすることが必要だ。