2011年1月15日土曜日

大学は自覚を持って社会的責務を果たすべき

最近、文部科学省のホームページに、昨年12月24日(金曜日)に行われた、政務三役による平成23年度文部科学省予算(案)の記者会見の内容が公表されました。
http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1301258.htm


掲載されたテキスト版の中から「高等教育関連部分」を抜粋してみましたのでご紹介します。


この中で、鈴木副大臣の「現状維持的大学ではなく改革をしてほしいということが我々のメッセージである。目的意識と計画性を持って大学改革をしてほしい。我が国は人と知恵でやるしかない。人と知恵の正に交差点というのは大学だ。大学のパワーアップが日本の浮沈にイコールかかっている。単に大学の自主性に任せるということから、正に社会総ぐるみで取り組んでいく」「これだけの血税を投入してやっているわけだから、大学も自覚を持って社会的責務を果たしてもらいたい」とのコメントが印象的でした。

大臣

本日、政府予算案が閣議決定されました。平成23年度予算案も、私どもがこれまで訴えてきたように、「コンクリートから人へ」の理念を継承して、我が国の成長の原動力である強い人材、これを実現する観点から、文部科学省予算として5兆5,420億円を確保いたしました。財政状況、極めて厳しい中ではありますが、対前年度マイナス0.9パーセントの微減にとどめ、補正予算・予備費を含めると、対前年度2.8パーセントの増となっております。

特に今回の予算編成の特色であります、元気な日本復活特別枠で要望した10項目については、国民の皆さん方からいただいた28万通に及ぶパブリックコメントに支えられて、粘り強い折衝を重ねられました。その結果、補正予算と合わせて、要望総額の9割を超える予算額を確保できました。国民の皆様、特にコメントをお寄せいただきました多くの方々に、この場を借りまして改めて感謝を申し上げたいと思います。

科学研究費補助金については、これは菅総理のイニシアティブによりまして、要求をはるかに上回る過去最大の633億円の増額が認められるとともに、若手研究者の参画による熟議などを通じて、現場の声として特に要望の強かった基金化が認められることになりました。

35人以下学級と科学研究費補助金の基金化は、先ほども申し上げましたように、政策コンテストや熟議に寄せられた多くの現場の声が実現の推進力となったことを申し添えておきたいと思います。

政策コンテストで7万通を超えるパブリックコメントをいただき、最も国民から支持された大学の機能強化については、大学関係主要経費が6年ぶりに増額に転ずることとなりました。国立大学法人については、法人化以降の基盤的経費の削減傾向に歯止めをかけることができました。また、私立大学等経常費補助についても、対前年度微減マイナス0.4パーセントにとどめて、総額を確保いたしました。一般補助のウエイトを拡大し、併せて税制面の充実も図っております。

政策コンテストの第2位の学び支援に関しましては、奨学金貸与人員や授業料減免人員を大幅に拡充して、保護者の教育費負担の軽減に努めております。また、政策コンテストで4位、6位、7位を占めました科学技術に関しては、対前年度3.3パーセントの増額を確保するとともに、若手研究者支援の大幅拡充、新成長戦略を踏まえたライフ・グリーンイノベーションの拡充、海洋資源確保のための探査システムの構築などを図ることができました。「はやぶさ」後継機の開発は要望満額の30億円が認められました。

詳細は両副大臣からそれぞれ説明がありますが、中期財政フレームの大変厳しい財政制約の下で、メリハリのきいた良い形の予算が編成できたのではないかと思っております。そして、この原動力になりましたのは、政策コンテストや熟議に寄せられた多くの率直な国民の御意見であったと考えております。最後に、文部科学省予算を御支援いただきました国民の皆様方に重ねて感謝を申し上げるとともに、23年度予算、関連法案の成立や、24年度予算編成に向けて更なるですね、御支援もお願いをしたいと存じます。

記者

幹事からお伺いします。科学技術関連の予算ですけれども、総理の指示を受けてですね、要望を大きく上回る形で予算が付くという異例の経緯をたどった訳ですけれども、大臣のこの経緯に対しての受け止めですとか、改めてのこれだけ多くの予算が付いたことについてのご感想をいただけますでしょうか。

大臣

科学研究費の補助金についてはですね、これは昭和40年の制度創設以来、いわゆる今日まで長い歴史の中で最大となる633億円の増額を実現をした、総額2,633億円を計上しております。これはですね、私どもが厳しい財政状況の中ではありますが、概算要求、そして要望額の2,100億円を上回る予算になります。これはひとえに、菅総理大臣のですね、強いイニシアティブがあったと。特に総合科学技術会議においてもですね、総理はわがままを言わせていただきたいという、そういう言及までしておりますようにですね、今の我が国の国際的な位置付けから考えますとですね、将来に向けて、正に人への投資、これを実現をしたいと、そういう強い強い熱意だと思います。

同時にですね、ノーベル化学賞のお二方の先生の受賞、あるいは「はやぶさ」の帰還、そして微粒子の持ち帰り、こういった画期的なですね、成果が多くの国民に対しまして勇気と励みを与えたと、そのこともですね、私は大きな力であろうと思っております。したがって、総理の指導力に敬意を表しますとともに、担当大臣としてはですね、これを有効に活用しなきゃならんなと、このように思っております。それから、これまた重要なことでありますが、これは研究者からですね、特に要求・要望されておりましたけども、年度にとらわれない研究費の制度を実現する、いわゆる基金化についてもですね、認められておりますので、第四期の科学技術基本計画の初年度を飾るにふさわしい予算だと思っております。関係者の皆さん方、また皆さん方にもですね、改めてお礼を申し上げたいと思っております。

記者

特例的にというかですね、今回いろいろと話題がある中で、一過性のブームであったりとか、今年特別にということだけで、来年以降ちゃんと続いていくのか、ちょっと気も早いとこがあるかもしれませんけども、来年以降もちゃんとこういうことがですね、確保していけるのかどうか、その辺についての意欲はいかがでしょうか。

大臣

これもある意味では大変なまた課題になりますけれども、私どもはこれを一つのスタートにしてですね、これはまた次の年度に向けてもですね、しっかり取り組むことが重要であろうと思っております。したがいまして、検証すべきことは検証する、あるいは奨励すべきことは奨励する、そういった関係者の皆さん方のですね、今後更なる一つの努力も強く求めていきたいと思っております。

記者

大学予算の関係なんですけども、国立大学運営費交付金がですね、骨太の方針などでですね、予算が削られてましたけれども、減額案が廃止になったということと、併せて特別経費ということで、減額と同額が計上されておりますけれども、これに対しての受け止めというか、どのように思われたかということを。

大臣

これはですね、大学関係者のある意味、悲願ということでしょう。各大学もですね、国私立問わず強い強い要望がありましたし、先ほども触れましたように、パブリックコメントではですね、そこに関係する多くの学生も、こういったことを強く望んでおりました。したがって私どもとしては、小学校の少人数学級に並んでですね、やっぱり我が国のトップレベルの水準を目指すという大きな旗印から、もうこれは引けないところでした。したがって結果的にはですね、そのことを理解いただいて、これからまた大学もですね、元気を出していただけるものだと、私は強く思いますし、またそう期待を持っております。

記者

他方で、私立大学関係予算に関しては、去年に比べて0.1パーセント減で、大学関係でいうと0.39減だと思いますけれども、国立大学がこれでトントンということになるとすればですね、まあ私学は若干減るわけですが、それについてどういうふうにお考えになってるかどうかお聞かせください。

大臣

私立大学等経常補助については、これ一般補助のウエイト拡大ができました。平成22年、約66パーセントありましたけども、平成23年度予算では88パーセントになっておりまして、同時にですね、学校法人の寄附の税額控除制度が初めてできましたので、税制面においてはですね、かなり充実しておると、そのように認識をしております。

記者

復活特別枠の扱いなんですけれども、政策コンテストではルール違反だとか厳しい評価を下され、結果的に9割を超える形で予算確保できて、結果オーライという部分もあるとは思うんですけど、その途中経過の紆余曲折、かなりブレがあった印象も受けたんですけど、こういった予算の編成過程について、どうあるべきだとお考えでしょうか。

大臣

いわゆる政策コンテストの継続をこれからもするのかどうかということにもかかわる話ですが、私はですね、政策コンテストというのはあくまでも最終的には政治決断で決定しますけれども、やはり幅広い国民の声を聞くという意味では非常に良いことではないかと思っております。

したがってですね、24年度予算編成について、どうするのかこうするのかというのはですね、これは正に国家戦略担当大臣や財務大臣が中心となってですね、今後検討されることだと思いますけれども、私としてはですね、どういう形になることになってもですね、やっぱりこのような国民のですね、生の、それらの地域・現場の声を聞くということはですね、政策決定過程にあってもいいんではないかというふうに思っております。

したがって、我々はもう予算に限らずですね、文部科学行政を進めていく上で、常にもう決まったからいいじゃなくて、できるだけ現場主義に立ってですね、自らが進めておる政策の是非について不断のですね、検証をしていく、このことが大事じゃないかと私は思っております。したがって今回はですね、ある意味ではユニークな、文部科学省としての、ある意味では積極的なですね、取り組みだったと、私はそういうことに考えております。

鈴木副大臣

大学の主要経費につきましては6年ぶりに531億円の増額を図ることができました。運営費交付金については0.5パーセントの削減ではございますが、今回新たに基盤的経費といたしまして、国立大学教育研究特別整備費という事業といいますか、項目を新設をいたしました。それと併せまして、基盤的経費の確保ということに努めたわけであります。

しかしながら、これについては留保条件がございまして、大学における機能別分化・連携の推進、教育の質保証など、大学改革を推進するということと併せてやることという条件が付されております。真摯(しんし)にこたえていきたいと思っております。

大学教育改革支援の充実でございますけども、おかげさまでリーディング大学院は39億円新規に認められました。それから鳩山前総理の時に決まりました「キャンパス・アジア」、来年4月から始められます。それから菅総理のイニシアティブでございます、米国大学等との協働教育創成、これについても認められたところでございます。

私立大学につきましては、これも先ほど大臣から御説明申し上げました長年の私学からの御要望でございました一般補助のウエイトを20年ぶりに高い比率に復活をいたしました。

授業料減免についても増額が認められております。それから学校法人への寄附の税額控除、これは長年の悲願でございましたが、笹木副大臣の御活躍によりまして創設することができました。

科学研究費補助金の抜本拡充ということで、菅総理ならびに研究現場の強い声を踏まえました。それから、若手研究者の皆さんにお集まりをいただいてユーストリームでも流し、そしてその後、熟議でも議論が活発に行われました基金化が認められました。複数年度の使用が実現をされます。おおむねですね、2万5千ぐらいの科研費のうちの2万件、約8割が複数年度対応ということが可能になるというふうに思っております。若手研究者のいろいろな事務手続き等々、機動的な研究活動に資するというふうに思っております。これについては、学術振興会法の改正が必要となりますので、予算関連法案の提出ということになります。

日本人学生を海外に派遣をし、そしてアジア・アメリカ等の外国人学生を受け入れる。それぞれ7千人ずつ要求をいたしておりましたが、人数としましては要求どおりの査定をいただきました。

国立大学(施設)につきましては、補正予算を含めまして529億円の額でございます。

学生、これは先ほどの繰り返しになりますけれども、奨学金127万人、授業料減免7万5千人ということでございます。

就業力育成支援事業につきましては、仕分け等々の議論ございましたけれども130件、継続分については29億円が認められております。

笹木副大臣

我々政務三役と大臣を筆頭にですが、そしてギリギリのところでは菅総理、官邸の強力なリーダーシップもあって、この科学技術予算については、政権交代前の一昨年に比べても、21年度に比べても234億円の増と、もちろん当初でですが、当初でいっても増と。去年に比べても増という、これを達成することができたわけです。

若手については一つあって、先ほどから話が出ている科学研究費補助金の抜本的拡充、これは総合科学技術会議でも、総理も出席して、私も出席しておったんですが、基金化は、これはやはり絶対に大事だと、総理が議員のお一人お一人に質問して確認をしてリーダーシップを発揮されたということです。

第四期科学技術基本計画の初年度ということですね。注目していただきたいのは、今回の基本計画で対GDP比1パーセント政府の投資ということと、総額25兆円、両方ともが丸括弧とか欄外じゃなくて本文に明記をされたということです。その初年度に当たるということで、これは我々も一生懸命運動しましたし、髙木大臣はもちろんですが、総理のバックアップもあったということだと、そういうふうに考えております。

今の科研費の補助金以外で若手のバックアップとしては、若手研究者が研究に打ち込める環境の整備ということで、優秀な博士課程修了者が生活費相当額を支援される仕組み、特別研究員事業、これの採用者数を1,052名から1,385名に増やす。あるいはテニュアトラック制の普及、制度改革ですね。よく、これは3つ目になるんですが、内向きと言われるわけですが、それは外に行って帰ったときの環境とか、あるいは研究の分野における若手が本当にどんどん伸びていけるか、そういう環境の問題もあると思います。そういう制度の改革もやっているということです。国内機関との所属関係を保ったままで安心して海外で武者修行ができるような、そういう若手研究者戦略的海外派遣事業18億円、200名程度、これを創設もしてます。さらに、長期で2年間研究に海外で専念できる、そのための海外特別研究員事業19億円、新規でこれも確保をしてるということです。

ライフイノベーション、グリーンイノベーション、これは総合科学技術会議、府省連携を図って重点化をということで、概算要求前にアクションプランというのが取りまとめられておりました。これを踏まえて要望を行って、前年比66億円増の778億円を、予算を得ることができたということです。

内容については、iPS細胞等を活用した再生医療、あるいは次世代がん医療の戦略的な推進と、あるいは精神・神経疾患の克服、脳科学研究、こういうふうなものについてライフとしてはやっております。グリーンについては、大学の知を集約し、大学間のネットワークの構築等を目指す、大学発グリーンイノベーション創出事業。そして、基礎段階から革新的な技術の開発までをやる先端的低炭素化技術開発、これに42億円。こうした事業をやっております。

記者

大学関係で何点かお伺いしますけど、国立大学法人運営費交付金が0.5パーセントの下げ幅で縮小したということと、あとプラスで国立大学教育特別整備費が新設されて前年度並を確保したと、このことの意義を改めてお伺いしたいんですが。それに併せて、大学改革を推進することということが条件というような形になっていると、で、1年以内に方策を示すこととなっておりますが、これに対してどのように取り組んで、まあこれ、先ほどの条件が付いた経緯とこれに対してどのように取り組んでいくかと。あともう1点が、大学関係のGPですとかで、事業仕分けで大分厳しい判定出ましたけれども、GPとグローバル30は廃止が考えられていましたけれども、それはちゃんと予算が計上されたと、この経緯について改めてお伺いできますか。

鈴木副大臣

はい、1点目でございますが、これはマニフェスト等々でもですね、国立大学の基盤的経費の削減を、これをなんとか改善をするということの議論をずっと続けて参りました。その中で、今後は運営費交付金と大学教育研究特別整備費を合わせてですね、基盤的経費というふうに位置付けていくと、そういう趣旨で大学教育研究特別整備費というものを創設をいたしました。そして、その両方を足し合わせたものといたしましては、基盤的経費を昨年同額、正に確保したということで、これによって完全に国立大学法人化以降の基盤的削減は食い止めることになりました。

そして加えまして先ほど来、何度も申し上げておりますように、この科研費の大幅増ということにつなげることができて、法人化以降、大変、大学現場、教育においても研究においても厳しい現状になっておりましたけれども、これによってV字回復、予算的にはですね、する第一歩を切れたことは本当に良かったと思っています。

しかしながら、極めて財政状況厳しい中でですね、大学に関しては率直に言って破格の対応を財政当局、あるいは総理にしていただいたというふうに思っております。この厳しい中で納税者の皆様方の血税を投入する以上ですね、正に強い日本復活のために大学関係者は、そのことを自覚していただいて、そして、それぞれの大学としてのですね、いろいろな御努力、効率化の御努力等は今までしていただいたとは理解しております。ぎりぎりのところで踏ん張っていただいたというふうに思いますけれども、更にですね、もっとこの大学界全体として、あるいはいろいろな連携を深める中でですね、この大学の特性というものも踏まえて、そして、この税金の正に投資対効果と、それはもちろん数値化できるものと数値化できないものいろいろございますけれども、正に強い日本を支える元気復活のための強い人材を養成する、あるいは知恵を作っていくという観点でですね、この大学の機能別分化・大学間連携の推進と、あるいは質の保証と、こうした大学改革をきちっと推進してほしいと、こういうメッセージでございます。

具体的にはですね、月曜日に大学関係者と早速お会いをしたいというふうに思っておりますが、既に国大協会長からはですね、この半年程度を目途にですね、そうした検討に着手をしたいと、こういうお話についてはおそらく来週伺えるんだと思いますけれども、そうした御議論をですね、私どもも十分聞かせていただいて、そしてフォローアップさせていただいて、そうした改革案の速やかな、かつ中身の濃いものを作っていただきたいというふうに考えております。

それから、その中でですね、大学のステークホルダーというのは、この社会全般なわけでありますけれども、そういう意味で教育面で申し上げると、やはりもっと実業界の皆様方も大事なステークホルダーの一つでありますから、そういった方々との連携によってですね、日本を担う強い人材を、社会総ぐるみで作っていくと、そういったことも指向していただきたいというふうに思っております。

グローバル30につきましては、仕分け等々ございましたけれども、30億円の要求に対して29億円の額が確保できたことで、グローバル30の事業運営はですね、これでおおむね計画どおり来年度も実施できるというふうに思っております。これにつきましては仕分けがございまして、その後ですね、仕分けは一旦廃止をして、そしてきちっと見直すと、こういう仕分けをいただきました。文部科学省といたしましては、速やかにその仕分け結果を受けてですね、現場の関係者あるいは国際化に関する有識者等によるチームを作り、そしてその方々に、連日連夜精力的な御検討をいただきました。漫然とこれまでの事業を繰り返すのではなくてですね、真の意味でこの国際化の拠点になるようなものにしていただきたいということを強く申し上げ、そして、それに対して大変精力的に委員の方々、関係者の方々に見直しを行っていただいたと、そのことが理解をされたということだと思います。

就業力育成支援事業につきましてもですね、30億円の要求に対して29億円が確保されました。これについても、特に雇用の問題については内閣官房等々が中心となってですね、関係省庁の取組があったわけであります。そこでの、もう一度仕分けを受けての再議論というものをいたしまして、そして中身の精査をいたしまして、就業力育成事業についてはこの当初の事業遂行に可能な29億円の予算を確保できたということでございます。もちろんその運用等々についてはですね、仕分けの意向というものを十分に反映して、そしてこの予算を、無駄使いをしないというのは当然でありますが、いかに生かした使い方にするかということについては、きちっと万全を期して参りたいというふうに思っております。

記者

例えばグローバル30は、どういうふうに組み立て直したのですか。

鈴木副大臣

グローバル30についてはですね、仕分けの方々に十分、既に事業が進んでいると、そしてこの留学生の予約というんでしょうか、見込みを前提にいろいろな募集活動等々をやっていると、こういうことの実態をもう一回把握をさせていただきました。そしてですね、その実行に当たっては、やはりその中身あるいはその目的についてですね、もう一度原点に返って確認をし直すという執行体制及びそのチェック体制についてですね、もう一回きちっと整備していただくということで、今回の結果に結びついたと、こういうことでございます。ですから、より正しいグローバル30についての理解を、内閣というか政府全体で深めていただいたと。それに当たって、その関係者の方々にですね、再度もう一回議論の整理をしていただいたと、こういうことでございます。

記者

GP関係の事業に関して、仕分けの反映の中でですね、新規事業は認めずに継続事業について認めるという判断なんだと思うんですが、これはそうすると24年、翌年度廃止されるという方向になるんでしょうか。

鈴木副大臣

事業についてはですね、繰り返しになりますけれども継続分についてと、こういうことでございます。ですから、来年度はそういったことでやっていくということですけれども、今後のことについては雇用情勢あるいは就業力育成あるいは様々な、特にGPの中で本来事業ではないかという御指摘もございました。それもそういう部分もあるなあとも、仕分け結果は受け止めております。

したがってですね、今回私立大学等経常費補助の中での一般補助の割合の見直し等々も行いまして、各大学がですね、本来事業の中でそうしたことにきちっと取り組めるようなことに誘導していく。それからもちろん特別補助の中でもですね、そうした教育、ガバナンスも含めてですね、質向上にちゃんと自立的に向上が行われるというようなことも特別経費の中にも組み込んでですね、私学助成の運用の中でGPが目指していたようなことはやっていくと。

今回、このGPも含めて、あるいは特別補助も含めてですね、本来一般補助でやるようなことも、これまで一般補助がずっと抑えられてきたと、予算構造の中でですね、無理矢理と言うとややちょっと言い過ぎですが、この私立大学等経常費補助の額を確保するがために特別補助はGPでっていうふうに予算要求の構造がなってきたことも否めないという部分はあるかと思います。その点が、仕分けで指摘された部分もあるということでございますので、本来の姿に立ち返ってですね、教育の質を向上するというのは、これは本来事業という御指摘は御指摘としては大いに受け止めて、こうした対応にさせていただいたと、こういうことでございます。

記者

国立大学の教育研究特別整備費というのは、運営費交付金とどこがどうちがうのですか。具体的にどういったことをするので、運営費交付金とは。何が何が違うのか、分かるように説明してください。

鈴木副大臣

あのですね、運営費交付金は人件費であれ設備であれですね、何であれ使途については限定はないわけであります。この新しく作りました大学教育研究特別整備費というのは、対象はですね、大学運営にとって必要となる設備の整備というふうに使途限定がされているわけであり、そういうことでございます。

今回これを作らせていただいて、何ていいますか、将来のことを言うとやや口が滑るかもしれませんけれども、まずは大学改革の中でですね、例えば連携あるいは機能別分化、機能強化といったある種の中期計画や今後の大学改革の中で位置付けられていくそうした改革に不可欠な設備・機器等々の導入といったものについてはですね、正にこの大学教育研究特別整備費の活用ということについての一定のプランというものをですね、出していただくというスキームになると。

スキームは今詰めてるところですけれども、私のイメージとしてはそういうことを考えています。そして、そうしたその機能別分化・連携の推進あるいは大学改革という、そうしたことに資する、あるいはそうしたことを支えるそうした教育研究特別整備についてですね、私どももその応援をすると、こういう格好になっていくんだろうなというふうに考えています。

記者

大学の裁量で使途を選べる交付金の制度、つまり大学にちゃんと任せるというのが、法人化の一つのPRだと思うんですけれども、それから考えるとちょっと使途的に全部変わってきたなって感じがするんですけれども。

鈴木副大臣

だから、要するにハードに限定はしてます、それは。今まではヒューマンというか、人件費とハードもそれも一緒くたにですね、運営費交付金は使えたわけですね、そういう意味ではハードに限定しているという御指摘はおっしゃるとおりだと思いますが、ただハード整備がゼロの所はないわけですね。それをただ漫然とやっていた、漫然とっていうのはおかしいんだけれど、必要不可欠な維持等々についてはこれ既存の運営費交付金で大学を、何ていいますか現状維持していくと、大学機能をと、いうことは運営費交付金でやっていただくわけでありますが、先ほど申し上げましたように、これからの大学はやはりですね、その機能強化あるいは機能別分化をして、その機能を強化してもらうと。それぞれの個性を理解した上でですね、連携を推進していただくと。こういう現状維持的大学ではなくて、やはり改革をしてほしいということが我々のメッセージでございます。

それについてはですね、やはり目的意識と計画性を持ってですね、大学改革をしてほしいということについてはですね、100パーセント任せてたところから、我々政府と大学一体となって大学の機能強化をやや誘導するということにおいては、ただそれは大学の本来業務ではありますのでですね、ただそういうことのインセンティブになるようなですね、運用をしていきたいということです。正にそれが大学改革を推進するという条件に付されているわけですね。我が国は、菅総理も言っておられますけれども、人と知恵でやるしかないと。人と知恵のですね、正に交差点というのは大学だと、大学のパワーアップが日本の浮沈にイコールかかっているという中でですね、単に大学の自主性に任せるということから、正に社会総ぐるみで政府も、そして社会全体もですね、そうしたことに取り組んでいくと、こういう第一歩というふうに位置付けております。

記者

確認ですが、大学の裁量に任せるという路線を、大学の裁量などに任せてたんではいつまでたっても、大学改革が進まないから、政府側が一緒になってその方向性を意識付けるということでしょうか。

鈴木副大臣

そこまで露骨には言いませんけれども、やはりこれだけの血税を投入してですね、やっているわけであります。やはり大学にも自覚を持ってですね、そうした社会的責務というものをですね、果たしていただきたいという思いを込めているというふうに聞かれれば、そうだと。


記者会見の模様はこちらをどうぞ