2011年4月16日土曜日

気持ちはわかるけど、人間としては言語道断!

差別・偏見。ムカツク記事をまとめて。

福島ごみ「受け入れるな」 川崎市に市民ら苦情2千件超 (2011年4月13 日 共同通信)

川崎市の阿部孝夫市長が福島県などの被災地を7、8両日に訪れた際、災害廃棄物処理の支援を表明し、川崎市民らから「放射能に汚染されたごみを受け入れるな」などの苦情が2千件以上寄せられていることが13日、市への取材で分かった。担当者は「汚染ごみは運べるはずがない」と説明、対応に追われている。

川崎市は2007年の新潟県中越沖地震でも、柏崎市の粗大ごみを鉄道輸送で受け入れ、無償で焼却処理した実績がある。今回も阿部市長は福島、宮城、岩手の3県などに支援を申し出たものの、ごみの量が桁違いに多く単独で処理できないため「国主導で支援したい」(処理計画課)と、計画は白紙状態だ。

ところが8日以降、同課への電話や市長へのメールで「絶対に福島からごみを受け入れるな」「(福島市出身の)市長の売名行為だ。リコールする」などの苦情が殺到。「川崎市民だけの問題ではない」と、埼玉や千葉県、米国からも反対意見が相次いでいるという。

 ネット掲示板「2ちゃんねる」やツイッターでも話題に上っており、「小さい子どもがいて不安」といった、女性からの訴えが大半を占めるようだ。担当者は「行政不信に陥っているようだが、これでは復興の妨げになる」と困惑している。


「放射能怖い」福島からの避難児童に偏見 (2011年4月13日 毎日新聞)

原発事故で被ばくを恐れ福島県から避難してきた子供が「放射能怖い」と偏見を持たれるケースがあるとして、千葉県船橋市教委が全市立小中学校長らに配慮するよう異例の指導を行っていたことが分かった。福島県南相馬市から船橋市へ避難した小学生の兄弟の事例では、公園で遊んでいると地元の子供から露骨に避けられたという。兄弟は深く傷つき、両親らは別の場所へ再び避難した。大震災から1カ月たつが、福島第1原発の深刻な事態が収まる見通しは立っていない。知識の欠如に基づく差別や偏見が広がることを専門家は懸念している。

南相馬市の小学生の兄弟のケースは、避難者の受け入れ活動に熱心な船橋市議の一人が把握し、市教委に指摘した。市議によると兄弟は小5と小1で、両親と祖父母の6人で震災直後船橋市内の親類宅に身を寄せ、4月に市内の小学校に転校、入学する予定だった。

兄弟は3月中旬、市内の公園で遊んでいると、方言を耳にした地元の子供たちから「どこから来たの?」と聞かれた。兄弟が「福島から」と答えると、みな「放射線がうつる」「わー」と叫び、逃げていった。兄弟は泣きながら親類宅に戻り、両親らは相談。「嫌がる子供を我慢させてまで千葉にいる必要はない」と考え、福島市へ再び避難した。

福島県から県内に避難し、この家族をよく知る男性は「タクシーの乗車や病院での診察を拒否された知人もいるようだ。大人たちでもこうなのだから、子供たちの反応も仕方がない。でも、当事者の子供はつらいだろう」と話す。

市議の指摘を受け、船橋市教委は3月28日「(放射能への)大人の不安が子どもたちにも影響を与え、冷静な対応がとれなくなることが危惧される」として、避難児童に「思いやりをもって接し、温かく迎える」「避難者の不安な気持ちを考え言動に注意する」よう市立小中学校長らに通知した。

市教委によると今月から市内の学校へ通う被災者・避難者の子供は43人で、うち38人は福島県出身という。

避難児童を多数受け入れる市立行田西小学校の中村俊一校長は、「温かく迎えるのは言われなくても当たり前のこと」と強調。「放射能を巡る偏見や方言で児童を傷つけることがないよう注意深く見守ろうと、教職員に何度も話している。始業式や入学式で『いつか古里に帰れる日が来るでしょう。その時に船橋に来て良かった、友達ができて良かったと思ってもらえるよう仲良くしてください』と呼びかけた」と話す。

市教委に指摘した市議は「話を聞き、心がさみしくなった。船橋の子供たちにはいつも『思いやりのある人になってほしい』と言っている」と話す。


千葉市稲毛区の放射線医学総合研究所(放医研)は福島第1原発事故直後の3月14日、放射線や被ばくを巡る電話相談窓口を開設。研究員や退職者6人が朝から深夜まで応対している。相談は主に首都圏から寄せられ、すでに6000件を超えている。

震災直後は「原発近くに住む親類を家で受け入れたいが、自分の子に影響はないか」という内容が多かった。その後、避難者の数が増えると「アパートの入居で難色を示された」「福祉施設や病院で被ばく線量を調べるスクリーニング検査の証明書の提出を求められた」などの相談が急増した。

今回の船橋のケースも踏まえ、放医研の柿沼志津子博士は「大人をまず教育したい。受け入れる側が心配すべきことは何もありません。むしろ心配しすぎる方が体に悪い」と指摘。「放射線について正確な知識に基づき、『正しく怖がる』ことが大切です。もっと勉強してほしいし、私たちも理解を深めてもらえるよう努力しなければならない」と話す。放医研は相談窓口(電話043・290・4003)を当面続けるという。


福島出身を理由に結婚破談? 「放射能差別」起きているのか (2011年4月15日 J-CASTニュース)

「放射能の影響で元気な子供が生まれなかったらどうするの?」。福島県出身の女性が婚約者男性の母親からこう言われ、結婚が破談になったとブログで紹介され、波紋を呼んでいる。この話は、当事者の誤解などの可能性もあるが、そんなケースは実際に起きているのか。

「結婚にまつわる悲しい話」。神奈川県在住のウエディングカメラマン男性(37)は、2011年4月15日のブログでそう切り出して、胸の痛みを打ち明けた。

きっかけは、新郎の母親が言った「放射能の影響」?

このブログ「ウエディングカメラマンの裏話」によると、女性は、福島県で高校まで生活した後に上京。東京の大学で婚約した男性と知り合った。それから8年間も交際を深め、都内で6月に結婚する運びになった。いわゆるジューンブライドだ。

カメラマン男性は、新郎新婦と結婚式撮影の打ち合わせをして、2人の幸せにあふれる様子に心和んだ。2人の友だちがリングピローとウエルカムボードを作り、高校時代の福島の親友も「こういうときだから幸せたくさんみせてね!」と祝福していた。

ところがだ。いきなり結婚式が中止になり、結婚も破談したというのだ。

そのきっかけは、新郎の母親が言った「放射能の影響」の言葉だったそうだ。女性は、これでは一緒にやっていくのは難しいと思い悩んだ。そして、結婚で新郎の家族が不幸になってほしくない…。こう考えて、女性自ら、新郎側に破談を申し入れた。そのとき、新郎は安堵の表情を見せ、新郎の両親も笑顔になったという。

もちろん、第3者であるカメラマンが話を聞き間違えたり、破談の理由はもっと別のところにあったりした可能性はある。これが本当のことだとは必ずしも言えないが、福島出身が理由で婚約が解消したケースなどは実際にあることなのか。

福島県「聞いていないが、あればゆゆしき問題」

日弁連の広報課に取材すると、放射能差別を理由にした結婚破談などの具体的な情報はまだないといい、人権問題で対応を検討しているようなこともないという。また、法務省の報道係でも、2011年4月15日にこうした問い合わせが来たというが、法務局や人権ホットラインなどに人権侵犯事件として上がってきたものはなかったとしている。

大手の結婚情報サービス会社でも、取材に対し、「震災で婚活を一時休止したというのはありますが、原発事故の影響で結婚破談という話は聞いたことがありません」と話した。

放射能差別による福島県民の結婚破談について、県災害対策本部の広報班では、「そのような話は聞いていない」としたうえで、「あればゆゆしき問題だ」と言っている。

とはいえ、放射能への過剰反応については、すでに一部で報じられている。

福島出身者らがタクシー乗車やホテル宿泊などを拒否され、行政が業界の指導に乗り出したのは、その1例だ。さらに、千葉県船橋市では3月28日、福島県南相馬市から避難してきた小学生の兄弟が公園でそのことを地元の子どもたちに話すと、子どもたちは「わー」と叫んで逃げたことが市教委に報告された。市教委ではこの日、各校長に対し、被災者に思いやりを持って接してほしいとする通知を出している。

福島県の災害対策本部では、「ガソリンスタンドやコンビニへの入店を断られたり、いわきナンバーの車を荷主が嫌がったりするケースは聞いています。必ずしも事実確認できたわけではありませんが、過剰反応が起こっているという認識はあります。しかし、福島県には応援の声もいっぱい届いていますので、これからも前向きにやっていきたい」と話している。


東電清水社長会見「産・官・学・報の癒着」白日に (2011年4月13日 ライブドアニュース)

テレビでひたすら「原発は安全だ」「電力供給に必要だ」と言い張っていた御用学者たち。彼らに電力会社が多額の金銭を提供していたことがネット上で話題になった。東京電力の清水孝正社長は13日の記者会見で大学研究室への金銭提供を認めた。フリージャーナリストの中島みなみ氏が引き出した。

東電はこれまで「(公益社団法人)土木学会が打ち出した津波の基準にもとづいて原発の耐性設計をしてきた」と主張してきた。

だが、土木学会(原子力土木委員会・津波評価部会)は、東電はじめ全国電力会社の現役社員が委員を務める。学識経験者として委員を務める大学のセンセイたちは東電から金銭提供を受ける。

中島氏はこれらの事実をあげて清水社長を追及した。「金銭援助を受けていれば意思決定に影響するのではないですか?」と。

清水社長は「大学研究室から要請があり資金提供した」と認めたうえで「意思決定には影響ない」と否定した。“いけしゃあしゃあ”とはこのことである。

象牙の塔ばかりではない。電力会社が経産官僚の天下り先になっていると指摘されてきたが、資源エネルギー庁の石田徹前長官が1月に東京電力の顧問に就任しているのである。

枝野官房長官は13日の記者会見で「法律上天下りに該当するかどうかに関わらず、社会的に許されることではない」とコメントした。

清水社長の記者会見(13日、東電本店)で筆者は東電の「お詫びCM」について触れ、「これから補償で多額の費用を要する。CMに使うカネがあったら被災者への補償に向けるべきではないか?」と追及した。清水社長は「検討中」としか答えなかった。

東京電力は多額の広告費でマスコミを、研究助成金で大学研究室を、天下り受け入れで政府を絡め取ってきた。新聞・テレビは長きにわたって国民の頭に「原発は安全」「電力供給に必要」と刷り込み、政府は東電の事故隠しなどを目こぼししてきたのである。

清水社長の記者会見はその構図を改めて白日の下に曝け出した。


独自通行証で渋滞ストップ!=「見物客」に自粛訴え-宮城・亘理(2011年4月16日 時事通信)

宮城県の南部にある亘理町は、町外から興味本位で津波被害を見に来た車などが渋滞をつくり、がれきの撤去作業に支障が出ているとして、今月から独自の通行許可証の発行を始めた。

同町の被害が甚大な地域では、山積みになったがれきを撤去する重機や、不明者の捜索に当たる車両がひっきりなしに行き交う。

同町によると、地震発生当初は宮城県警が被害地域の交通を規制し、許可証を持つ緊急車両以外は通行できなくしていたが、規制区域が減ると、写真撮影などを目的に県外から来たとみられる人の姿も見掛けられるようになった。

路上に停車した車が大型重機の行く手を遮り、5分で行けるごみの仮置き場まで30分かかることもあるという。

撤去作業の遅れは復旧や不明者捜索の妨げになると考えた同町は、今月から町長名入りの通行許可証を被災者や捜索に入る消防、自衛隊などに交付。被害の大きい2地区に通じる道路では、交通指導員が約10人態勢で許可証を確認している。


記者「何が必要?」で被災者「休息必要なのにあなたが邪魔してる」(2011年4月16日 週刊ポスト)

宮城・東松島市の避難所近くで、航空自衛隊松島基地の隊員が炊き出しを行なっていた。

「すいませーん、こちらに並んでください!」

声を張り上げていたのは、隊員ではなく、東京からやってきた民放キー局のカメラクルーだった。並ぶ必要もないのにわざわざ一列に集めて、「画作り」をしていたのだ。

震災から1か月が過ぎ、被災地は一刻も早く日常生活を取り戻そうと動き始めている。そんな中、一部取材陣の振る舞いが被災者の反感を買っている。

津波で壊滅的な被害を受けた仙台市若林区の避難所となっている中学校の校門には、3月末頃に〈報道関係の方は立ち入りご遠慮下さい〉という貼り紙が出された。

管理する区の職員がいう。

「食事をしたり、布団に横になったりしているところに、突然、カメラやマイクを向けられることが避難者の精神的な負担になるという声があり、取材を一切お断わりしました」

この避難所では、校門付近に停められた中継車が邪魔になって救援物資の運び込みに支障をきたしたり、場所を選ばずに行なわれていたインタビューで狭い通路が塞がれたりしたために、被災者たちのストレスが高まっていたのだという。

若林区の別の避難所で被災者代表を務めていた男性が憤る。

「メディアは“かわいそうな被災者”を取材したいんでしょう。地震と津波の記憶はなるべく忘れたいのに、あの時のことを思い出させるように根掘り葉掘り聞く。小さな子供にまで、津波に流されて亡くなった身内の話をさせようとするんです。その後に、『今、必要なものは何ですか』と聞くので、私が『休息が必要なのに、あなたに邪魔されている』と答えると、記者はバツの悪そうな顔をして、もう取材に来なくなりました」