2011年9月29日木曜日

沖縄2011 斎場御嶽

斎場御嶽(せーふぁうたき)は、沖縄県南城市(旧知念村)にある史跡です。15世紀~16世紀の琉球王国・尚真王時代の御嶽であるとされています。

斎場(せーふぁ)とは”最高位”を、御嶽(うたき)とは、神が降臨し鎮座する聖域のことを指すそうですが、琉球開びゃくの中でこの国が七つの御嶽からできあがったと伝えられ、そのうちの1つがここ斎場御嶽であり、その歴史から七御嶽の中でも琉球王国最高の聖地とされています。

御嶽の中には6つのイビ(神域)がありますが、中でも大庫理(ウフグーイ)・寄満(ユインチ)・三庫理(サングーイ)は、いずれも首里城内にある部屋と同じ名前をもっています。最奥部の三庫理(サングーイ)には「チョウノハナ(京のはな)」という最も格の高い拝所があり、クバの木を伝って琉球の創世神であるアマミクが降臨するとされています。

なお、三庫理(サングーイ)からは、王国開びゃくにまつわる最高聖地とされている久高島を遥拝することができますが、はるかなる琉球王国時代、国家的な祭事には、聖なる白浜を「神の島」といわれる久高島からわざわざ運び入れ、それを御嶽全体に敷きつめました。その中でも、最も大きな行事が、聞得大君の就任儀式である御新下り(おあらおり)でした。斎場御嶽は、琉球王国や聞得大君の、聖地巡礼の行事を今に伝える「東御廻り」(アガリウマーイ)の参拝地として、現在も多くの人々から崇拝されています。

斎場御嶽は、2000年12月、首里城跡などとともに、琉球王国のグスク及び関連遺産群としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。また、御嶽内で出土した陶磁器と勾玉などは国の重要文化財(考古資料)に指定されています。

斎場御嶽の入口にある世界遺産の碑


緩やかな石の道が続く


大庫理(ウフグーイ)
大広間や一番座という意味


寄満(ユインチ)
台所:世界中から交易品の集まる「豊穣の満ち満ちた所」という意味


三庫理(サングーイ)
二本の鍾乳石と、三角形の空間の突き当たり部分は、それぞれが拝所






奥は、チョウノハナと呼ばれる斎場御嶽で最も神聖な拝所


香炉が置かれている


久高遙拝所(くだかようはいじょ) 
琉球開びゃくに登場するアマミキヨという女神が降臨したという
神話の島「久高島」(くだかじま)を望む

(関連記事)久高島の八月ウマチー(森口豁 沖縄写真館)


斎場御嶽の場所


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