2011年10月28日金曜日

動物実験に係る体制の整備を

動物実験の適正な実施や実験動物の飼育及び保管については、文部科学省が行った「研究機関等における動物実験に係る体制整備の状況等に関する調査」により、一部の国立大学において動物実験に係る体制整備が不十分である現状が判明しています。

これらのことから、昨日(10月27日)付で、国立大学協会から各国立大学宛、動物実験に係る体制整備の徹底について、以下のような依頼が行われていますのでご紹介します。


動物実験に係る体制の整備について(依頼)

動物実験の適正な実施や実験動物の飼育及び保管に関しては、「研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針」(平成18年文部科学省告示71号)に基づき適正に実施することが求められております。

この実施状況について、本年6月に文部科学省が「研究機関等における動物実験に係る体制整備の状況等に関する調査」を行い、一部国立大学において、必要な学内規定の策定やそれに基づく組織や計画の策定、また、教育訓練の実施、自己点検評価、情報公開等への取組が不十分な状況が散見されます。

現在、文部科学省から9月28日付でこの指針に沿った体制整備について依頼がされている所ですが、本委員会としても、改めて動物実験や実験動物の飼育及び保管の適正な実施について強くお願い申し上げます。

また、政府の中央環境審議会動物愛護部会で、動物愛護管理の制度の見直しに係る検討が行われており、国立大学に関する論点としては、実験動物生産業者の動物取扱業への業種追加の検討、3Rの更なる推進(代替法、使用数の削減、苦痛の軽減の実効性確保の検討)、動物実験施設の届出制等の検討が含まれています。

今後、検討結果をもとに本年11月にパブリックコメントを行った上で、12月に「動物愛護管理のあり方検討報告書」として決定し、必要がある場合には、報告書の内容を反映した「動物の愛護及び管理に関する法律」の改正を、平成24年の通常国会に提出することとなっております。

前述の大学における基本指針の対応が不徹底な状況が続けば、この改正に合わせて、動物実験等に関し厳しい制約や運用を求められる可能性が高く、すべての大学・研究機関の研究活動に大きな影響が出て、国際競争が著しい中、わが国の研究力の大幅な低下も懸念されますので、重ねて体制整備の徹底を頂きますようお願い申し上げます。