2012年3月15日木曜日

国家公務員の給与減額支給措置への対応

消費税や復興経費の財源確保のための公務員叩きがますますエスカレートしていますが、各国立大学法人では現在、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」の成立を受けた対応について頭を抱えています。

去る3月6日付けで、総務省行政管理局長から、各府省官房長宛に「独立行政法人における役職員の給与の見直しについて」と題する事務連絡が発出されています。主な内容は以下のとおりです。


国家公務員の給与については、第180回国会において、国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律(平成24年法律第2号)が成立したところ。これに関し、「国家公務員の給与減額支給措置について」(平成23年6月3日閣議決定)及び「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(平成23年10月28日閣議決定)においては、独立行政法人の役職者の給与について、「法人の業務や運営のあり方等その性格に鑑み、法人の自律的・自主的な労使関係の中で、国家公務員の給与の見直しの動向を見つつ、必要な措置を講ずるよう要請する」とされているところである。ついては、各府省におかれては、貴管下の独立行政法人に対して、これらの閣議決定の趣旨に沿って、国家公務員の給与見直しの動向を見つつ、各独立行政法人の役職員の給与について必要な措置を講ずるよう要請されたい。


上記の事務連絡を受け、3月8日には、文部科学省大臣官房長から各国立大学法人学長など宛に「独立法人における役職員の給与の見直しについて」と題する事務連絡が発出されています。上記総務省行政管理局長からの通知を受けお知らせするというスタンスになっていますが、要は「法人の自律的・自主的な労使関係の中で、国家公務員の給与見直しの動向を見つつ、貴法人の役職員の給与について必要な措置を講ずるよう要請する」といった内容、つまり「君たちも、国家公務員同様、給与を減額しなさい」ということです。

国立大学法人の教職員の給与については、国民への説明責任を果たすため、法人化後も、基本的には、社会一般の情勢に適合したものとなるよう人事院勧告に準拠した給与改定が行われてきました。したがって、今回も人事院勧告見合いの減額については、さしたる混乱もなく処理されると思われますが、それ以外の減額については、各法人内の労使関係により対応が分かれる可能性があります。

また、各国立大学法人の財政力、各法人に配分される来年度予算(運営費交付金)の状況、あるいは、附属学校を有する大学においては、附属学校教員の供給元である県・政令市等自治体の対応状況によって、判断が大きく変わってくるものと思われます。

給与の減額については、税金が投入されている公的機関という立場上仕方のないことと思われますが、裁量を持たされている分、各法人は経営判断に苦しむところです。