2012年3月19日月曜日

小便しながらでも報告せよ(土光敏夫)

社長でも、権限を譲っていない人がいる。それはおかしい。事業部長に権限を与え、事業部長もまた下の者に与える。すると、社長や事業部長のポケットに何も残らないかといったら、そうではない。責任は全部残る。権限は全部与えても、責任は百パーセント残っているのだというのが、ボクの主義だ。

だから、絶えず注意していなければダメで、権限を委譲された者は、必ず必要なレポートをすることが責任だ。決して一方通行ではならない。例えば、廊下などで会ったときに、「あれはどうなったか」と聞いた場合、すぐに返答が出来ないようではダメだ。あるいは、お互いに便所に行ってならんで小便をしながらも、話が通じるようになっていなければいけない。椅子に腰かけて報告を聞くとか、意見を聞くのなら、何時間でも聞けるけれども、それは、長たらしい報告になるだけだ。報告書は結論を先に書くべきで、結論を読んで判らなければ、あとの報告のところを読んでみる、ということにしたい。